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法政大学 ・ スクーリング

コンピュータ入門情報通信ネットワーク

インターネットの設計思想から、階層化とプロトコル、パケットのカプセル化、 IPアドレスとDNS、そしてWWW・電子メールまで。スライドを触って動かせる教材にしました。 各章の図は実際に操作できます。

はじめに

インターネットの設計思想

1950年代中頃まで、コンピュータが他のコンピュータと繋がることは想定されておらず、 人が「実験結果」を持ち帰っていました。一般に「インターネット」と呼べるものは1990年代以降です。 その源流をたどります。

1958

ARPA 設立

米・高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency)。ネットワーク研究がここから始まった。

1967

ARPANET プロジェクト開始

世界初のパケット通信ネットワークの研究プロジェクト。データを「パケット」に小分けして転送し、受信側で復元する方式。

1969

4拠点を接続

UCLA・UCSB・ユタ大・スタンフォード研究所(SRI)。伝送路を複数用意し、障害があっても迂回できる冗長構成。

1970s

相互接続と TCP/IP の誕生

独立したネットワーク同士を ARPANET で相互運用(Inter-Networking=Internet の語源)。 「エンドツーエンド」「ベストエフォート」の思想から TCP/IP が生まれる。

1990s〜

一般に広がる「インターネット」

多種多様な機材やネットワークをつなぎ、冗長性で信頼性を高めた自立分散型ネットワークとして社会基盤に。

階層化とプロトコル

ネットワークの階層化 — OSI 参照モデル

通信機能を役割ごとに分類し、複数の「層」で構成します。各層ごとに プロトコル(通信規約)を用いるので、スマートフォンでもスーパーコンピュータでも同じ手順で通信できます。 層をクリックして役割を確認しましょう。

パケット

ヘッダ・フッタのカプセル化

送信側では、上位層から下位層へ降りるたびに各層がヘッダ・フッタを追加します。 受信側では逆に、下から上へ昇るたびに削除します。▶ を押して、メッセージが1つのパケットに包まれていく様子を見てください。

送信:ヘッダ・フッタの追加 ↓送信側
「送信」を押すと、アプリ層 → 物理層へ順にカプセル化されます。

1つのパケットの中身

中央のメッセージを、各層のヘッダ(H)とフッタ(F)が同心状に包んでいます。

各層のヘッダ・フッタが運ぶ情報

  • 物理層:物理的な接続に関する情報
  • データリンク層:通信機間の信号の受け渡し
  • ネットワーク層:通信経路の選択(ルーティング)
  • トランスポート層:エラー訂正・再送制御
  • セッション層:通信が途切れた場合の接続回復
  • プレゼンテーション層:データの表現方法
  • アプリケーション層:通信サービス・アプリに関する情報

OSI 7層 ↔ TCP/IP 4層

実際のインターネットは TCP/IP でまとめられます。

クライアント・サーバモデル

要求(request)と応答(data)

電子メールやWWWなどはクライアント・サーバモデルです。クライアントが要求を送り、 サーバがデータで応答します。▶ を押すとやりとりが流れます。

🖥️
サーバ
💻
クライアント A
💻
クライアント B
💻
クライアント C
クライアントが要求を出し、サーバがデータを返します。
IPアドレスの種類と役割

IPアドレス — インターネット上の「住所」

通信には送信元と送信先のIPアドレス(コンピュータを識別する数値)が必要です。 IPv4 は 32ビット空間で、8ビットずつ「.」で区切って10進表記します。 数字を変えて、2進表現とアドレスクラスの変化を確かめてください。

.
.
.
32-bit 整数
アドレスクラス
用途の目安

法政大学 133.25.XXX.XXX は Class B。例 mailgw.hosei.ac.jp。 IPv6 は 16ビットずつ16進で表記:2404:6800:4004:80b::2004

ポート番号 — 同じ宛先でも通信を混同しない

IPアドレスだけでは通信が混乱するため、トランスポート層のポート番号で相手のサービスを指定します。 よく使うサービスには 0–1023 の well-known port が割り当てられています。

サービスプロトコル / ポート役割
HTTPTCP / 80Web ページの転送
HTTPSTCP / 443暗号化された Web 通信
SMTPTCP / 25電子メールの送信・転送
DNSUDP / 53名前解決の問い合わせ
POP3TCP / 110メールの受信(取り出し)
IMAPTCP / 143メールの受信(サーバ保管)
具体的なサービス ・ DNS

DNS — 名前解決の流れ

IPアドレスは数字だけで扱いにくいので、人間が使いやすいドメイン名を用います。 ドメイン名に対応するIPアドレスを求めることを名前解決といい、木構造をたどって問い合わせます。 ICANN という非営利団体が空間の一意性を管理しています。
▶ 次へwww.example.co.jp の名前解決を1ステップずつ追えます。

STEP 0 / 12
ユーザが Web ブラウザに http://www.example.co.jp/ と入力します。
▶ 次へ で開始

ドメイン名空間は木構造

ルートドメイン(.)の下に国別など(ccTLD/gTLD)、さらに第2・第3レベルドメインが続きます。

Root.(ルート)
TLD jpuk…(ccTLD) commil…(gTLD)
SLD adaccone
3rd hoseiTUS
Host libwww
WWW ・ 電子メール ・ SNS

WWW — 世界に広がった蜘蛛の巣

WWW(World Wide Web)は、インターネット上の文書同士をハイパーリンクで相互参照するサービスです。 HTTP / HTTPS でやりとりし、これもクライアント・サーバモデル。文書は URL という識別子で指し示します。 下の URL を編集すると、構成要素に色分けされます。

スキーム Webサーバ名(ホスト) ポート番号 ファイル名(パス)

電子メール

コンピュータネットワークを介してデジタルデータを郵便のように交換する 非同期通信システム。送信・転送は SMTP、受信は POP3 / IMAP を使います。

ユーザA SMTP Aのサーバ SMTP Bのサーバ POP3/IMAP ユーザB

SNS

「誰でも・いつでも・どこでも」情報を受発信できる、従来メディアと大きく異なる特徴。 一般の人が自由に発言・表現しやすくなりました。

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情報学
基礎

教科書

『情報学基礎』培風館 ISBN 978-4-563-01605-0

さいごに

この講義でたどった道すじ

01

インターネット

ARPANET を源流とする自立分散型ネットワーク

02

プロトコル

各層の通信規約。国際標準化されている

03

階層化

OSI 7層 / TCP/IP。カプセル化で包む

04

クライアント・サーバ

request と data のやりとり

05

IPアドレス・ポート

住所と、サービスを指す番号

06

具体的なサービス

DNS・WWW・電子メール・SNS